和夜、白夜、千夜




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猫が警察と話している間と言えば、犯人の挙動を伺っていた。 
さしたる異常も無い。 

そもそもそこにきなくさいものは全く無い。 

それぐらいは解る。 
しかし、とりあえずは油断するわけには行かない。 
突然起こった出来事なので、事件が済んで初めて回りに対する 
観察力や思考力が戻って来ていた。 


「それじゃ、駅前のロータリーで待っています」 


どうやら段取りがついたようなので、 
猫に前を歩くように指示した。 

犯人を前後に挟み、俺が後を歩く。 
少しでも妙な動きを感じたらすぐに対処できるよう、 
首筋と膝の裏に意識に集中していた。 
なにせ、120キロの巨体なので、回し蹴りしても意味が無い。 

右手は拳を作ったり解いたりしながら戦闘態勢を維持。 
駅前に到着した。 

ロータリーに面した広い歩道部分。 
ベンチが向かい合うように置かれていた。 

猫が犯人をそこに座らせた。 
そして、俺とで挟むようにして待機。 
座らせたほうが、次の動きがしにくいのは当然である。 
嘘だと思うならば一度ためしてみるといい。 



長女二人が少し不安そうに見える。 
そりゃ、犯人連行してパトカー待ちである。 
そんなもん、気持ちいいわきゃ無い。 


「あの・・・すぐそこに警察ありますけど」 


なんか、ほざいていた。 
だが、いろいろあって結局陰になって気がつかなかった 
その犯人が言った駅前交番へと行く事になる。 
いろいろって・・・まあちょっとした通報の手違いなんだが。 

いきなり、土地勘も無い場所で正確な通報なんかできない。 


そん時、俺はサングラスかけてたんだが、 
交番入ってから手違いが原因でなんと警官7人が結集してしまった。 
それぞれが、てきと〜になんか質問するので場が混乱し、 
一瞬俺に変な視線が集中した。 


冗談じゃねぇよ・・・ 


だが、今日何しに来たか解らなくなる不幸はまだ始まったばかりだった。